スマホゲームのマーケッターはどのように運用型広告を活用していくべきか【B-1 #1】

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(左から、AppLovin 坂本氏、Twitter Japan株式会社 瀬尾氏、株式会社ファンコミュニケーションズ 二宮氏、LINE株式会社 池端氏)

2017年4月26日、東京・六本木にてスマートフォンゲームのマーケティングイベント「Next Marketing Summit 2017 Spring」が開催された。

「Next Marketing Summit」は今回が初めての開催だが、800人のマーケッターと業界関係者が一同に集う大規模なビジネスイベントとなった。当日開催されたセッションのうち、本稿ではB会場で行われた「スマホゲームのマーケッターはどのように運用型広告を活用していくべきか」の様子を紹介する。

登壇者は、Twitter Japan株式会社の瀬尾洋徳氏、株式会社ファンコミュニケーションズの二宮幸司氏、LINE株式会社の池端由基氏と、運用型広告に造詣が深い3名が揃い、モデレーターはAppLovinの坂本達夫氏が務めた。

【登壇者情報】
<スピーカー>

瀬尾 洋徳 – Hironori Seo

Twitter Japan株式会社
Twitter Client Solutions マネージャー

大学卒業後、広告代理店、放送局を経て、2010年Google入社。Googleでは、大企業/中小企業向けにGoogle AdWords/YouTubeなどの広告営業を経験。Twitterには2013年10月入社。2014年よりアプリ企業向けに特化したチームの立ち上げ、現在はゲーム/ライフスタイル領域を中心としたモバイル企業向けのソリューションを提供するチームを統括。

二宮 幸司 – Koji Ninomiya

株式会社ファンコミュニケーションズ
nend事業部 取締役

2004年大学卒業後ファンコミュニケーションズに入社。A8.net営業、新規事業開発セクションを経て2010年スマートフォンアドネットワーク「nend」を立ち上げ。2013年4月執行役員、2015年3月取締役就任(現任)。nend事業部とファンコミのアドテク領域の開発部門を統括。また、海外戦略子会社である株式会社アドジャポン代表取締役社長を兼任。

池端 由基 – Yuki Ikehata

LINE株式会社
LINE Ads Platform ビジネス推進室 セールスマネージャー

株式会社サイバーエージェントを経て、2013年1月 NHN Japan株式会社(2013年4月 LINE株式会社に商号変更) へ入社。広告事業部にて公式アカウント、スタンプ、ビジネスコネクトなどのセールスを担当(2015年4月 広告事業部 マネージャーに就任)。その後2016年7月、LINE Ads Platformのリリースに合わせて専属営業組織の立ち上げに参画。セールス・コンサル部門の責任者であるセールスマネージャーに就任。現職。

<モデレーター>
坂本 達夫 – Tatsuo Sakamoto

AppLovin
Director Sales, Japan

2008年より楽天にて、企業戦略及び楽天オークションのモバイルマーケティングに従事する。その後2011年よりGoogleにて、モバイルビジネスストラジストとしてデベロッパーとのアライアンスを担当し、AdMob事業を大きく成長させる。2015年より現職。アプリのマーケティングやマネタイズ(収益化)に関する講演や記事・ブログ執筆も精力的に行う。東京大学経済学部卒。

 

■各社の運用型広告を立ち上げ期から担う

坂本:今日の登壇者は運用型広告のプロフェッショナルばかりなので、モデレーターとしてどんどん突っ込むスタイルで進行していきたいと思います。 

さて、みなさんのプロフィールを見て気付いたのですが、それぞれ現在ご担当されている広告プロダクトを、立ち上げ期から担っていますね。そこで、はじめに自己紹介も兼ねて、各社のプロダクトを立ち上げた経緯や狙い、そして現在の状況について伺えればと思います。

まずは、瀬尾さん、いかがでしょうか。

瀬尾:私は3年半くらい前にTwitter Japanに入社して、アプリ企業向けに特化したチームを立ち上げました。現在は、そのチームでマネージャーを務めています。広告プロダクトに関しては、Twitter Japanは本当にゼロからのスタートでしたが、おかげさまで成長曲線を描いております。日本では、ユーザー数、広告主数ともに成長しています。

坂本:ありがとうございます。続いてファンコミュニケーションズの二宮さん。以前ご一緒させていただいたときに知りましたが、二宮さんは新卒からファンコミュニケーションズなのですね。

二宮:そうですね。元々アフィリエイトの「A8.net」というサービスを担当していました。スマートフォン向けのアドネットワーク「nend(ネンド)」を立ち上げたのは2010年頃です。

坂本:「nend」と言えば、国内最大級のスマホ向けアドネットワークだと思います。立ち上げから今までの成長曲線はどういう感じでしょうか。

二宮:2012~2013年頃は、ユーザーがどんどん増えていき、その波に上手く乗れて成長できたと思っています。2015年以降は、各社さん新しいプロダクトを次々とスマホ広告にも出してきたなかで、現在は踊り場といった状況です。

坂本:分かりました。今後の狙いなどは追々伺ってみたいと思います。最後に池端さんはいかがでしょうか。

池端:じつは、我々はスマホの運用型広告を始めてまだ9ヵ月くらいです。私自身、LINEは今から5~6年前に入社しました。当時は企業向けの広告商材としての「LINEスタンプ」を販売する部署におり、まだ運用型広告が主流になる少し前の話です。そして、LINEユーザーが増えた段階で、新しいチャレンジとして運用型広告「LINE Ads Platform」の展開を始めていきました。ちなみに、一緒に立ち上げたメンバーは、ほぼ初めて運用型広告に携わる者ばかりでした。

坂本:その状況で今のこの成長を実現出来たのは、すごいことだと思います。

池端:「LINE」はユーザーに支えられているプラットフォームだと捉えています。そのため我々としては、ユーザーを離さないことが、ひいてはアプリ事業主様にお返しできる唯一の成果だと思っています。ただ、“ラッキーチャンス”は終わったので、これからは我々も真剣に取り組まないと考えています。

 

■クライアント・代理店・媒体…三位一体の考えが重要

坂本:それでは、最初に「どうやれば運用型広告は上手くいくのか」をテーマに議論していきます。みなさん、色々なクライアントと向き合ってきていると思いますが、上手く運用出来ている企業と、そうじゃない企業があるなか、各々から見て両社の違いはどこにありますか? はじめに二宮さん、いかがでしょうか。

二宮:僕らはアドネットワークという形式ですので、ネイティブ広告を主戦場とするTwitter、LINEとはちょっと異なるかと思います。というのも、アドネットワークに参画する媒体社のアプリがいきなりアプリストアでランキング上位に浮上すると、急激にトラフィックが増えるため、その広告枠に対して都度調整を行う必要があったり、色々なタイプの媒体社が参画しているため、そのコントロールをどれだけ早くできるかというのが、上手くいかせるコツだったりします。もう1点は、全体でプロモーションを組み立てていくときに、どのタイミングでアドネットワークを採用していただくかが、重要なポイントになると思います。

坂本:なるほど。そのタイミングとは、具体的にどのような時期にやり始めればいいのでしょうか。愚策のようなものもありますか。

二宮:最近ですと、最初に事前登録の専用サイトでユーザーを集め、そのタイミングからアドネットワークをやっていただけるようなお客様もいます。その場合はWEBサイトに集客できるため、cookie(クッキー)などを貯めた後に、インストールしていないユーザーに向けて配信できます。こうした新しい手法は徐々に出てきています。

あとは、事前登録後のプロモーションでも最初からやってほしいですね(笑)。色々実施した後からアドネットワークを行っても、どうしてもユーザーの獲得は鈍くなりますし、そうなるとアドネットワークのポテンシャルを発揮できなくなります。

坂本:そうですよね。AppLovinもnend同様にスマホのアドネットワークですが、リリース直後から使っているとどの媒体と相性がいいのかが程度見えてきますし、そのほうが長続きすることは正直ありますね。

二宮:今のアドネットワークはメディア枠がたくさん増えてきているなか、色々な枠に在庫を提供できないような状況です。なぜかというと、最初からCPI(Cost Per Install – アプリのインストール・起動までの単価の指標)を合わせるために、ホワイトリストで媒体をリスト化して運用することで絞ってしまうことがあるからです。

ですが予算がある場合は、CPIの最適化の期間をある程度長く持ってもらうと、全体に行き渡ってきて最適化が進み、結果的により獲得ボリュームやCPIも抑えられるケースがほとんどです。予算があれば、そのようなやり方が一番適していますね。

坂本:最初から絞りすぎると先細るため、なるべく広く配信したほうがよい。ただ、それに向けた学習期間はちょっと我慢が必要ということですね。

二宮:そうですね。

坂本:池端さんは、「LINE Ads Platform」を上手く使っている企業には、どういう特徴があると考えていますか。

池端:僕らの場合は、自社プラットフォームのため、そのなかでユーザーがどういう動きをしているのかを見ていることが多いです。なかでもユーザーのゲームプレイサイクルに合わせて、KPI設計を切り分けて実施している企業は、非常に上手くいっているケースが多いと感じています。

以前までの指標と言えば、新規インストール数や単価、継続率など、とても分かりやすかったと思います。たとえば、「新規インストールがいくつなら、何%くらいのユーザーが残り、何%がこの期間使ってくれる」という計算式があったと思います。我々も立ち上げ当時は、お客様からその数値についてよく聞かれましたが、結局のところ、LINEというプラットフォームだとそれらは当てはまらないという感覚を持ち始めています。

坂本:つまり、他媒体とユーザー特性が異なるということですか?

池端:そうです。「LINE」は一般的なライトユーザーが多く存在するプラットフォームですので、そこの一気通貫した流れを少し切り分ける必要があります。つまり、新規インストール数なのか、それとも継続的なアクティブユーザーの囲い込みなのか。これらをきちんと切り分けて考えている企業は、上手くいっているケースが多いと思います。

そのためには、ユーザーのゲームプレイサイクルなど、各々のステータスの変化に合わせて、どういうメッセージを届けるのかも、プランなどに組み込んでおくと、成功に近づくと思います。

坂本:なるほど。するとLINEのプラットフォームでは、新規獲得だけではなく、リテンション・マーケティング(※既存顧客との関係を維持させるためのマーケティング活動)にも活用できるということですね。ただし、ユーザーがどのステージにいるのかによって、出すメッセージを変えていく必要があると。

池端:まさにその形です。我々もゲーム事業会社の一面があります。これまで普通に街中を歩いていた年配の方々が、まさか自分たちのゲームで遊ぶとは思ってもいなかったし、本当に「この人もゲームで遊ぶんだ」と驚くことが多くなりました。今では “ゲームで絶対遊ばない”という人たちでも、ある意味でゲームの潜在顧客になりうる人たちとも思っています。そうしたゲームユーザーのステータス管理は、すごく慎重に、かつ重要に行っていったほうが、今後に繋がっていくのではと考えています。

坂本:実際にユーザーのステータス管理や分析など、どれくらいの代理店やクライアント企業が見ているのでしょうか。感覚的にいかがでしょう。

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